作法教室
作法教室
プロローグ
わたしはちょっと有名なお嬢さん学校に通ってたりする。
クラスメイトのお父さんは社長だったり、何かの理事だったり。
更には何かの家元を伯父に持っていたりする子までいる。簡単に言えばクラスメイトの多くが金持ち。
ちなみにうちはというと、普通の5人家族だったりする。
普通のサラリーマンの父と、普通に週3日のパートをやっている母と、普通の兄が二人。ついでにおばあちゃん。
普通の兄一号は、普通に就職をして社会人2年生。普通の兄二号は普通に進学して大学2年生。
おばあちゃんは普通に年をとって、現在80歳。
この人は確かに普通に歳を重ねたと思う。
…けれど、生まれが普通じゃなかった。何でも、元華族とかで、それもあってわたしは今の学校に何故か通えている。
何故か…、事の発端は、三年前に行なわれたおばあちゃんの女学校時代のクラス会。
そこで孫の話となり、孫の中で女の子はたった一人しかいないという話になって、それじゃあ是非にということで、わたしが今の高校に入ることになった。
ま、おばあちゃんの過去の家柄のお陰で、この異世界・お嬢さん学校にわたしなんぞが通っている。
このお嬢さん学校という世界は中に入ってみると案外面白い。
お嬢さんにも色々な種類がいるから。
こう一歩退いて彼女たちを観察できるわたしは、将来お嬢様評論家になれるかもしれない。(ま、そんな職業の道が開かれていたらだけど。)